それはまるで魔法のような
好きという気持ち



あなた





窓から差してくる光に誘われて俺は瞼をあげる
最初はまぶしくて目を細くしていたのだけれど
だんだんと明るい世界になれてきて、ゆっくりと瞳が開かれる

「………あっ」

一番最初にその瞳が移したのは最愛の人の愛しい寝顔
昨日の事情の後、裸のまま抱き合って眠りに落ちたのを思い出して俺は少し顔を赤らめる

「気持ちよさそうに寝てるんだから」

そう言って彼の鼻をつまむと、少し苦しそうに唸った。
クスッと笑うと、ベッドの中に少し冷たい空気が入ってきた

「寒!」

そう言って急いで布団を被り直す
12月の寒いときに裸で眠ったのは少し失敗だったようだ
俺がそんな風に隣でドタバタしていたのでルスカは漸く目を覚ました

「……ガイズ………もう、起きたのか」

寝起きでまだハッキリしていないだろう頭をふるって、ゆっくりと瞳を開ける
すると寝顔とはうってかわって、いつものりりしい顔が現れて俺は少しドキッとした

「だってルスカ、もう8時だよ」

そう言って部屋の隅にある時計を指す。

「ここ一週間は仕事を取っていなかったから、時間感覚が狂ったかな?」

そう言って彼も寒そうに布団を被った。
ルスカはこの一週間ほど仕事をしないでずっと俺の側にいてくれている、別に仕事が無くなったわけじゃなくてルスカが自主的に仕事を抑えているのだ
今までずっと働きっぱなしだったから休暇と言って長い休みを取っている。
全ては今日と、明日のためと、新しい年を二人っきりで迎えるためだ

「それならそろそろ起きるかな」

そうしてベッドを降りて立ち上がる

「さみぃぃ!」

俺はルスカが出て行った隙間から入り込んだ冷気に身を縮ませた
ルスカはそんな俺に苦笑しながらズボンをはき素肌の上にYシャツを身にまとう
そんな、些細な一瞬に俺の心臓は大きく高鳴る
ほんのちょっとの仕草が凄くかっこよくて、つい見とれてしまう

(何やっても格好良すぎるんだよな、ルスカって)

ベッドの中から彼を眺めそんなことを考えている

「ガイズ、お前の方が先に起きたんだからいいかげんベッドから出たらどうだ?」
「だって寒いんだもん」
「………お前なぁ」

ルスカがカーテンを開けると俺は直射日光の攻撃にあった

「わっ、眩しぃー」
「ほら、これで少しは暖かくなるから、早く起きろ。そうでないと買い物に行けないぞ」
「はい、はい」

俺は勢いよくベッドから飛び降りると、散らばっている服を拾い上げた

「どうしたんだよルスカ、立ちつくしちゃって」
「……なっ、何でもない!早く行け!」
「変なルスカ」

俺はそんなルスカを後にして着替えをすませる





その後に俺の作った遅めの朝食を取って二人で街に出た
街は、クリスマスの雰囲気が漂っていてとても幸せそうだった
教会には多くの参列者が列をなし、家々には大小さまざまなクリスマスツリーが飾られている
肉屋はしきりに七面鳥の安売りをし、子どもにあげるプレゼントを抱えた親たちが楽しそうに帰路につく

「ガイズ、あらかたのものは買ったか?」
「うん、七面鳥に、ケーキに、キャンドルに、今日の夕飯の材料だろ。うん、バッチリだぜ」
「そうか」

そう言って微笑むルスカはとても優しい
そんな一面にまたドキッとして、俺はかじかむ指で紙袋を抱え直す

「ガイズ、お前の手真っ赤だぞ!?寒くないのか」
「えっ?あぁ、ちょっと寒いけど大丈夫」
「それが大丈夫って色か?かしてみろ」
「あっ!」

そうしてルスカが俺の紙袋を奪うと自分のしていた手袋の片方を俺の片手にはめる

「ルスカ………」
「こうすれば、寒くないだろ」
「へへ、ルスカの手袋、ブカブカだ」

そう言ったルスカは顔が少し赤くなってて、少し照れてる感じだった
俺はそんなルスカを少しからかってみた

「でも、もう片方は冷たいまんまじゃん」
「それは………」

するとルスカは不意に俺の手をっ手袋をはめていない方の手でぎゅっと握った

「こうして手をつないで帰れば、寒くないだろう」

そう言ったルスカの顔はさらに赤くなってて、俺の心はとても満たされてて…………少し涙が出そうだった

「そうだね」

そうして俺たちは今夜のことを思って二人手をつないで俺たちのうちに帰った。





ルスカストーリーEND













































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