HAPPY HALLOWEEN!!
trick or treat






「ジョゼー!早くしろよー」
今年もあの日がやってくる。
八百屋には黄色いカボチャがいっぱい並んで、お菓子屋には溢れるほどにお菓子がいっぱい。
町中を歩いていてもみんな何処か浮かれた顔して、笑顔いっぱいで歩いている。




明日はハロウィン。




子供達ははしゃぎまわり、仮装の準備に大忙し。
そんな俺たちも、身内だけを呼んでのささやかなハロウィンパーティーの準備に大忙し。
両手の紙袋の中には溢れるほどのお菓子とカボチャ。
重たいそれを抱え直すと、ひょいっと一つの固まりが姿を消す。
「持つぜ、テメー一人じゃ潰れちまうだろ」
「なんだよ、さっきまで荷物持ちなんかしねーって言ってたくせに」
するとジョゼは、うるさいとばかりに顔を赤らめて。
「んだよ、意地はってんじゃねーよ。重かったくせに」
ジョゼは重たいカボチャの入った紙袋を軽々と持ち上げた。
まぁ、確かに重たかったんだけどね。
「それに………」
ジョゼの唐突な言葉に俺は首をかしげてジョゼの言ったことを反復する。
「それに?」
「両手ふさがってちゃ手もつなげねーしな」
ニッと笑うジョゼに、俺は恥ずかしくなって
「バカ!」
としか言えなかった。
「んだよ、別にいーじゃねーか。減るもんじゃないんだし」
「確かに減らないけどさ、恥ずかしいじゃん」
俺がそう言うのも聞かず、開いてる方の手を握るとそのまま早足で歩き出した。
ジョゼはこうやって何気なく優しいところがある。
今はそうではないけど、たとえ喧嘩してたってけっきょくは俺のことを考えていてくれるのだ。
優しいけどちょっと(かなり?)不器用なジョゼ。
喧嘩もするけど、俺の大好きなジョゼ。
「なに笑ってンだよ」
「別に、明日が楽しみだなって」
「ふーん、そんなもんか?」
「そんなもんだよ」
俺が笑うと心なしかジョゼも笑う。
俺たちはその後も手をつないだまま二人で帰路についた。









家に帰ってからはもっぱら明日の用意でてんやわんやだった。
俺は明日の夜に備えてご馳走や、飾り付けの用意をしてジョゼは買ってきたカボチャを切り抜いてジャックオーランタンを作る。
ジョゼは昔刑務所にいたときに靴を作っていたせいかこう見えても結構器用で、ナイフとスプーンを作って綺麗にカボチャを切り抜いていく。
「どう?ジョゼ、うまくいきそう?」
「まかせとけって」
そう言って楽しそうにカボチャと向き合っているジョゼを見ると、何だか悪戯を考えている悪ガキのようでつい吹き出してしまった。
「てめー、何笑ってンだガイズ!」
「あっ、ゴメンゴメン。なんかジョゼがスッごく楽しそうだったからついね」
「フン」
そう言ってジョゼまたカボチャと向き合って黙々と中身をくりぬいていく
少し怒っちゃったかな?
そう思って彼に近づいてその顔をのぞき込む
「ジョゼ?」
すると不意にジョゼに唇を奪われて、俺の顔は真っ赤に染まった。
「これでおあいこだぜ」
そう言ってニヤッと笑うジョゼに俺はさらに赤くなる
このままショートしていても全然用意は終わらないから仕方なくジョゼがくりぬいたカボチャの中身が入ったボールを持ち去り
中身を取り出し蒸かしてつぶして裏ごしをして、明日のデザートのパンプキンパイを作る準備をする。
昔母さんが作っていたのをレシピを教えてもらって見よう見まねでうまくいくかはわからないけど
こうして準備をしていると結構楽しかったりする。
「ジョゼ、明日のパーティー楽しくなるといいね」
「そうだな」
そんなとりとめもない会話
だけど幸せ
明日のパーティーも決して豪勢なものじゃない
むしろ大したものなんて作れないだろう
それでも幸せ
暖かな家で、仲間がいて、ジョゼがいて……………
きっとどこよりも幸せなパーティーになるだろう。
「明日が楽しみだな」
「そうだね」










あとがき


なんかもうお久しぶりのジョゼガイです。
本当に久しぶりに書いたのでうまくできているかが少し心配です。
カレンダーを見まして、もうすぐそこにハロウィンが迫っていまして速攻でかき上げました(笑)
なのでかなり微妙な作品になってしまいました(爆)
ラヴラブ甘々なジョゼガイを楽しんで頂けたら幸いです。
でもちょっとなってないかも…………






































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