アイツが魂を失った時、強くなろうと思った





      貴方がいなければ生きてはいけないほどに





トシマを離れてから4年、日本は日興連によって凄まじい回復の姿を見せていた
あの荒涼としていたトシマとその付近さえ、人の手が伸びて復興の作業が行われているという
街路地で見たテレビジョンではまた『難民狩り』があるのだとキャスターが報じていた
至る所に人の手が加わり、全てが再生するために姿を変えていく
闇を生きる者たちにとっては、着実に生きにくい世界へと再生させられていく



俺たちは今、旧日興連側の比較的トシマに近い場所に住んでいる
この辺りは都市に比べれば土地も広く、住みやすい場所だ
俺たちはそこの古びたアパートの一階の隅の部屋にいる、ここはいろいろな建物から死角なっているからだ。
俺はいつものようにシキの車椅子をおして食卓につかせる
「おはよう、シキ」
シキはいつもの様に、少し笑っているようにも見える表情でただ空を見つめている
「今日は気分がいいようだね」
俺はいつものようにシキに笑いかける
それから、台所に立ちシキと自分の分の朝食をとりわけテーブルに並べる
「俺の料理の腕もだいぶ上がってきただろ?」
シキの隣に腰を下ろすと、シキの分の料理を一口口に含み、それをそのまま口付けで与える
まるで親鳥が雛にえさを与えるように
始めは、シキがまったく食物を受け入れず泣き崩れたときもあった
でも、この方法で食事を与え始めたときからシキは食事をするようになった
この食事を与えるたびに、彼のぬくもりに触れるたびに、いつも自分に言い聞かせる。






まだ大丈夫




まだやれる




俺は




俺たちは




まだ大丈夫




まだ









生きている









俺は今日もシキの食事を終えると目線をダイニングの入り口の方に向ける
「いつまでそこにいるつもりだ、おっさん」
「いやいや、バレてたか」
「とうぜんだろ」
この男、源泉は久しぶりに俺の前に姿を現した
「一年半ぶりか?」
「もうそんなになるのか」
「そうだ、もう一年半になる。ったく、半年も探させやがって」
半年、そう俺たちは半年前に会うことになっていたはずだった
「おっさんが勝手に決めたことだろ?」
「ははっ、どんなに逃げてももっと早くに捕まえられる予定だったのにな」
「俺たちはまだ当分捕まらない予定でいたんだ」
するとおっさんは豪快に笑った
いやなオヤジだ
「まっ、どうでもいいだろそんなこと。それより……俺は最後の勧告をしに来た。今一度答えを聞こうか?」
勧告、そう一年半前にふらりと現れたおっさんは俺に言った





『もし一年後、コイツが今みてーに人間やってなかったら俺はお前を自力でコイツから離れさす。
それがいやなら殺すなり施設に預けるなりして自分から離れるんだな。
……わかるかアキラ、これはお前のためなんだ』





「結果としてコイツは動かないまま……結論を聞こうか?」
「俺は…シキを殺さないし見捨てない、俺はシキから離れない」
当然のことを言った俺におっさんはため息をはいた
「人形ごっこはもうおしまいにしな、坊主」
「シキは人形じゃない!人間だ!!」
「何処が人間なんだ!喋らなくて、動かなくて、食事も自分でしないような奴が人間って言えるか!」
「………っ!!」
確かにそうかもしれない、でも、それでも……!
「でも、シキなんだ。シキは、ココにしか居ないんだ……!」
いつの間にか、俺の瞳からは大量の雫が床に落ちていた
「アキラ……」
すると不意に頭上で今ではよく聞きなれてしまった音を聞いた
それは、銃を構える時にする独特の質感を感じ取らせるような音
「おっさん!!」
こんな狭い部屋の中でシキを殺させるわけも、発砲させるわけにも行かなかった
俺は素早くトリガーを握りつぶすように押さえ込む
「アキラ、俺はどうしてもコイツが許せねぇ」
その鋭い眼光がその言葉が偽りのない真実であると語っていた
「おい、(イル・レ)。どこまでアキラを苦しめれば気が済むんだ……!」
「どうして、シキが(イル・レ)だって……」
「ヴィスキオは崩壊したからな、ちっとはましな情報が流れてくるようになったんだよ」
相変わらずその情報収集経路には舌を巻くが、今回はそれがアダになってしまった
(イル・レ)……コイツは、アキラはな、まだ貴様と違って表の世界で生きていける。
 アキラが、ただアキラとして闇の世界に根ざす前に、コイツを光の世界に引き戻してやりてぇんだ……」
しかしシキは当然何も答えずただ虚ろな瞳だけをしていた
「ふっ、結局はお決まりのだんまりかよ」
俺は力の抜けたその瞬間を見計らって、素早く銃を奪い取る
「だがな、これだけは言わせて貰うアキラを必要としているのは、アキラが欲しいのは…貴様だけじゃねーんだよ」
「おっさん……」
すると何を思ったのかその腕は、強く俺のことを抱きしめた
「俺のところに来いよ、アキラ……世界中を飛びまわろう。一緒に」





それは
なんと魅惑的な誘いなのだろうか





「この男のそばに居て、お前まで廃人になることはねぇ……!」





この腕は
なんと暖かなのだろうか





「アキラ」





この腕を俺は
何故振りほどけないのだろうか?





それは、その温もりに甘えたいから?
誰かに無条件で愛されたいと思うから?





「もう楽になれ、アキラ」





確かに、ただ何もせずに愛されるということは
とても楽なことだろう
ただ与えられるだけの愛に包まれていればいい
でもそれは、それを望むのは










この男じゃない









「ゴメン、オレ…」
そう言って、彼の腕の束縛をはずそうとしたその時
「なら、俺が楽にしてやるよ、アキラ」
一瞬の出来事だった、オレの身体は硬い床に押し倒された
「ちょっ、ふざけるな!」
「ふざけてなんて、ないさ」
いつものように顔は笑ってはいるが、力を一向に緩める気配がない
いくら殺しに長けた俺でも、体格と力の差はどうにもならない
「…っ、……放せ!!」
「いやだね、自分のあられもない姿を見られたとなっちゃぁ、お前もコイツのそばには居られなくなるだろ?」
俺を押し倒す力が、笑みを含んだその顔が、拒むことは許さないといっている
「まっ、たっぷりと見せてやるさ、(イル・レ)に……」
「やめ……っ!」
いつの間にか俺の両手は縛り上げられ、いっこうに身動きが取れなくなってしまった
源泉のおっさんはそのまま何も言わず、俺の服をたくし上げる
「ん?なんだこれ……」
その視線は俺の臍を抉るピアスへ向けられていた
「それは……!」
それは俺がシキの所有物(モノ)だという証
シキが俺に与えてくれた唯一のモノ
「触るな…ソレに触るな!」
「アイツか……」
だがおっさんの手は無常にもそのピアスを外しにかかる
「や、めろ!!」
なんとか腰をくねらせ彼の手を避けようとするが、すぐに腰を捉えられてしまう
「くそ!…くそ!!」
最後の足掻きとばかりに、縛られた腕のロープを引き千切ろうと腕をばたつかせるがその行為も虚しく、自分の手首を傷つけるだけだった
「やめろ!くそオヤジ!!…やめろぉー!!」





カチャ……





シキではない他人の手によってピアスを外されようとするその音が、自分の中のナニカを焼ききった










「いやだぁ―――!!シキ―――――――!!!!」










自分が今まで出したことのないような大声で、俺はシキの名前を呼んでいた
この声にはさすがのおっさんもびっくりしたのか、一度オレのピアスから手を外して飛び退く
その時だった、今のこの場所に場違いな音が室内に響いた
俺たちはその音のするほうへと目線を向ける






「アキラに……触れるな…………」






「シキ……」





俺は名前しか呼べなかった
ただ、奇跡のように生の焔を宿したその瞳を食い入るように見つめる
車椅子から床に倒れたシキは、ゆっくりと立ち上がると急に体制を低くし、オレの上に馬乗りになっているおっさんの腹に向かって鋭い蹴りを入れる
「ぐはぁっ!」
彼はそのまま壁にぶつかり、腹を抱えて蹲る









シキは……
何故立ち上がれるのだろう、どこからそんな力が湧き上がってきたのだろう









そしてテーブルの上にあった果物ナイフでオレの束縛を断ち切り
それを投げ捨てると、その両手でオレの腹のピアスをカチリとはめた
「シキ……」
するともう既に体力の限界だったのか、俺の腕にドサリと倒れこむ
「シキ!!」
「そんなに…大声を、出すな………聞こえている」
「ゴメン……」
オレの上に倒れこんできたシキの身体を抱え起こす
その姿をこの眼に焼き付けたいはずなのに、視界が……霞んで………
見えないよ、シキ………
「泣くな、アキラ……」
シキに言われて俺は初めて自分が涙を流していたことを知った
「シキ、何で?どうして」
質問になってなかった、でも俺は自分の中にあるこの言葉では表すことの出来ない感情をシキに伝えたかった
「アキラ」
そしてその束の間の逢瀬は一人の男の激しい咳き込みと言葉によって終わった
「ぐはっ、ゴホッゴホッ……っ、白馬の王子様はやっとお目覚めかい?アキラ」
「おっさん……」
するとシキは立ち上がり、俺を庇うようにして対峙した
「貴様、まだ居たのか」
「シキ、無理だ!今の身体じゃ……!」
俺は涙を乱暴にぬぐうとシキを見上げる
シキは踏みしめるようにしっかりと地面に足をつけて立ち上がった
それが今のシキにとってどれほど大変なことか俺には想像もつかない
「貴様にもう用はない、去れ……」
数年ぶりに発するであろうその声も掠れ、顔からどっと汗が吹き出している
「まぁ、そう堅いこと言うなって、どうせ俺は本気でアキラとお前さんを引き離そうとなんて思ってなかったんだからよ」
その言葉に俺は驚愕した、ならさっきの行為はいったいなんだったんだろうか?
「さて、眠りの王子様も目覚めたことだし、俺はさっさと退散するかね」
そう言って腹を押さえたまま苦しそうに立ち上がる
「最後にお前さんに言っておかなきゃならねーことがある」
「………」
「これ以上お前さんの甘さで、アキラを苦しめるんじゃねーぞ」
彼はそれだけ言うと、片手をひらひらと振ってこの部屋から出て行った
シキの甘さ……それはいったいなんなのだろう
どこか遠くの方でバタンと扉の閉まる音がするとシキの身体は意図の切れた操り人形のようにガクリと項垂れる
「……っ!!」
その身体を間一髪のところで抱えると、俺は安堵の息を吐き出す
「だから、無茶するなって言ったのに」
そう、そんなことをしなくてもきっと大丈夫だった
俺もはじめは彼の言葉に驚愕していたけれども、俺のことを優しく見つめるその眼は、前と何にも変わっていなかった
きっと俺を押し倒したことも芝居だったんだろう
するとクスリと笑みがこぼれた
「何を笑っている」
項垂れていたシキが、低い声で問う
「いや、お節介な人だなって、思って」
「ふっ、くだらん」
「そんなに邪険に扱うなよ、せっかくシキとオレのことを思ってしてくれたんだから」
でもシキは、一瞬眉間にしわを寄せて黙ってしまう
「でも……シキには、ありがた迷惑だよな」
「そうじゃない、俺がお前たちに甘えていただけだ」
そういうとシキはまるで独り言でも呟くかのように語りだした
「俺は弱かった、どうしようもなくあまちゃんで、どうしようもなく弱かった……。
 俺は甘えきっていたトシマにも(ナノ)と呼ばれたあの男にも……そしてアキラ、お前にも…………」
「……オレ?」
シキの言葉に俺は再三驚かされた







シキが、俺に甘えた………??






「お前の口付けが、俺をこの世界に引き止めた」
まるでなんでもないことのように告げるシキに俺は顔を赤くした
「でっ、でもあれはシキに、食事を与えるために……」
「知ってるさ、でもいつからか俺はその温もりを待つようになった……、楽だったよ何も考えなくていい、何も喋らなくていい、誰も…殺さなくていい」
俺は言葉も出なかった、でもシキの口から溢れ出す言葉が少しでも真実ならいいと思った
「ただ……お前が与えてくれる口付けだけを待っていればよかった」
「シキ」
「ふっ……堕落にも程がある」
自嘲気味に答えるシキは、まるで疲れ果てた猛禽類のようで見ていられなかった
だって、シキは今までずっと一人で戦ってきたんだ
シキ自身は気づいていなかったかもしれない、でもきっとずっと孤独で戦の緊張の中に居たんだ
少し休んだって罰は当たらない、当るはずがない
「そんなに、自分を責めるなよ」
でもシキは、それを同情や哀れみととったのか、憤怒の色を湛えた瞳で俺を見た
「……貴様の馬鹿さかげん程があるな、なぜ俺を責めない、俺に今までの理不尽だった思いをぶつけてくればいいだろ?」
「別に…俺は辛いだなんて思わなかっ……」
その言葉がシキの激情の導火線に火をつけた
シキは反転して俺を床に押さえつけた
「なら何故泣いた、何故あの男の前で躊躇した!!何故……」
そこまで言うと弱っていたシキの体はぐらつき、崩れ落ちた
「シキ!!」
俺はその体を抱き締めると、その肩に自分の頭を預け自分の瞳に浮かぶ涙をごまかした
「だって、仕方がないじゃないか、俺はシキを選んだんだから……源泉でも、リンでもケイスケでもない。
 ましてやグエンやエマでもない。俺はお前を、シキを選んだんだから仕方がないじゃないか…………」
最後のほうはどうしても我慢できなくて、ついに涙声になってきてしまった
身体の中で感情が、激情が、押し寄せてきて
涙が止まらない










「シキを…スキなんだから…………」










俺はついに感極まって言ってはいけないことを、永遠に心の奥底にしまっておかなければいけない言葉を口に出してしまった
シキはゆっくりと俺を身体から離れさすと、今度はやさしく床に横たえてくれた
ふと頭のどこかで、こんなシキは初めてだと思う別の自分が居て、苦笑した
「ゴメン、今の独り言だから……だから、気にするなよ」
「アキラ……」
嗚呼、なんて馬鹿なんだろう、俺は
この言葉は今のシキには全然必要のない言葉なのに
「アキラ」
俺は何とかシキから離れようとその重みを押しのけようとする
「……えっ!」
それなのにシキは俺の身体を持ち上げ抱き上げる
それはまるでいつかの光景を彷彿させた
「シキ……?」
でも、その力はどこから湧き上がってくるのだろうか?
「アキラ、何故そんなに自分を卑下にする」
シキは隣の部屋のベッドにオレを寝かせ、自分も覆いかぶさってくる
「シキだって、自分の事責めろって言ってたくせに」
「話をそらすな!アキラ」
俺をじっと見つめるシキの眼は、今まで一度も見たことのない色を湛えていた
俺はついに彼の全てから除外されてしまった、そんな気がした
「俺の眼を見ろ、アキラ」
「イヤだ!」
「アキラ!!」
「シキ……!!もう許してくれよ、シキ………」
「許さない、そして…俺はお前の言ったことを忘れない」
俺の、言ったこと………?
「アキラ、俺は一度しか言わない、よく聞け」
拒絶の言葉なんか聴きたくなくて、俺はとっさに耳を塞ごうとした
「聴け!」
しかしシキは俺の両手を掴むと、それをベッドに縫いつけた
「アキラ…俺はお前が欲しい、お前がいなければ生きる意味もない、アキラ……お前を愛してる」
幻聴が、聞こえたような気がした
どこか遠い異国の言葉のわからない歌を聴いてるよう泣きがした
「シキ?」
それとも……シキは本当に壊れてしまったのだろうか?
だって、俺のことを『アイシテル』だなんて……
「何を呆けている……何故、泣いている」
嬉しさと、悲しさと、絶望と、恐ろしさが俺の中でぐちゃぐちゃにかき回されて、まったくワケがわからなかった
「ウソ、かもしれない……聞き間違えかもしれない」
「ウソでも、聞き間違えでもない」
それでもシキは俺の髪を梳いて答えてくれる
「信じられない、理解できない…シキ……」
「信じなくても、理解しなくてもいい……だが、これだけは覚えておけ」
シキは俺の唇を軽くついばみ、また顔を上げた
「お前は俺に会ったその瞬間から、俺だけのものだということを」
シキの眼は、さっきとまったく変わることはなく、それはまるで黒いガラス細工から透けてみた太陽のような色をしていた
「シキ……」
俺の瞳からは、さっきよりも涙が溢れ出していた
今ならこの感情がわかる
この感情は





嬉しさ





切なさ





この男を愛したいと思う









愛おしさ









「まだ、泣くのか…」
シキもいいかげんうんざりしたのか、どこか投げやりにいった
「泣くよ、嬉しいから」
俺の答えにシキはわけがわからないとため息をつく
「人間は、嬉しすぎると涙が出るんだ」
その言葉に、シキの顔がほんの少しだけ緩んだのは







きっと見間違えじゃない







「シキ……俺も言っていいか?」
シキは何も言わずただ待っていてくれる、次に紡がれる
俺の言葉を









「シキ………好きだ………………」





















その次の日、シキはいまだベッドの住人となっていた
理由は
身体全体をさいなむ鋭い痛み、簡単に言ってしまえば
筋肉痛
ホントはそんなんじゃなくてもっと深刻なことだと医者は言っていたけど、簡単に言えば症状はそれの延長でしかない
用は使いすぎたのだ、身体を
医者も呆れてしまうほどに
シキがいくら凄まじい体力と身体を持っていたとしても、三年も車椅子生活をしていれば当然の結果だ
俺はシキがいる部屋の扉を軽くノックする
「シキ、入るよ」
お盆に載せた食事をサイドテーブルに載せると、横になっているシキのベッドに腰掛ける
「調子は?」
「最悪だ」
「そう、ご飯持ってきたけど……食える?」
「ああ」
俺はスプーンにできたてのスープを掬うと、それをシキの口元まで運ぶ
「食べ、ないのかよ」
「食わせろ、前みたいに」
前みたいに、それは……
「俺の身体は回復しきってないんだ、だからお前が食わせろ」
「うっ……」
シキが不敵に笑う
「でなければ、食わん」
前は、その行為自体が生きてる確認だった、でも今は……
はっきりと意思を持ったシキの瞳が俺を見る、まるで命令に背くことは許さないとでも言うかのように
「…わかったよ………」
そういうとシキの笑みがさらに深まった
きっと今の俺の顔は真っ赤なのだろうと思うとどうしようもなく恥ずかしい
俺はシキに差し出したスープを一口口に含むとそのまま口付けで彼に与える
互いに唇を合わせると、シキがまず口を開き舌を差し出してくる
俺もそれに合わせるように口を開き、舌を絡め、ゆっくりとスープを流し込む
「ん……んぅ………」
食事にしては濃厚な口付けを味わいながら、俺はその熱によっていた
「うまいな、もっと食わせろ」
シキの要望どおりもう一度スープを口に含もうとしたらそのまま引き寄せられ唇を貪られる
「ちょっ…んん!……ッ、…あっ、んん!」
「本当に、美味いな」
何もかも吸い尽くされるような激しいキスに、俺は自分の身体を支えるので精一杯になった
それを見据えてシキは自分の手を俺の腰に巻きつけてきた
「ちょっ、シキ」
「なんだ」
「身体、大丈夫なのかよ」
「大丈夫じゃないと言ったら、昨日のように跨ってでも来るか?」
「……っ、馬鹿」
そんなことを言われても、もう昔のように反発しようなんて思わない
だって






誰よりも愛しい恋人だから













おわり


あとがき
初!咎狗の血ノベル!!
よーやく、終わりました
長かったです(笑)
この長さを書いたのは本当に久しぶりの気がします

この話の発端はシキ様のグッドエンドが私的に哀しすぎでしたので
だって、どのエンドでもシキ様ナノに勝ててないじゃないですか!!!
(そう思うのは私だけだろうな、トホホ)
何となくあのエンドのシキ様はあの車椅子状態から立ち直って始めてナノに本当に勝つ事が出来る気がします
それにアキラがアレではあまりにも!
監禁の次は看護ですか!!って感じでしたので
あくまでもこの小説は私的観点をかなり推し進めている物なので


怒りを覚えられた方は本当にゴメンナサイ(涙)


にしても、書いている時はいいのですが、読み返してみると………
色々とトホホです(汗)
三者三様に性格が違う(滝汗)
源泉は壊れてるし、アキラは乙女だし、シキは愛を告白するようなキャラじゃないですね(流血)
腐女子の目で見たらこんなんになってしまいました
チャンチャン(爆)





































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