始めて俺は、心の底から殺したいと思った








    
死神の








刃を交えたときに、俺を睨み付ける眼差しは決してそらされることはなく
俺は始めて、虫けらに興味を抱いた







コイツはオモシロイ







別に対して強くもなく、弱くもなく
弱者でもないが、強者でもない





半端モノ





だがその瞳は、俺を睨むその眼だけは、他の虫どもとは違った
けっして逸らそうとはしない
最初に浮かんだのは疑問、そしてそれを凌駕する興味
名も無き高揚が俺の身体を駆け巡る
久しぶりに味わう感覚に俺は酔いしれる





だが今は時期ではない、けっして





もっとコイツに恐怖と、屈辱と、憎しみを植えつけなければ
もう俺だけしか見ないように……
全てをじっくりと染め上げ、そして最後に
俺の手で……








相手を跳ね除け、歩き出した俺の背中にアイツの視線が突き刺さる
まるでナイフのように研ぎ澄まされ、高揚した視線





いつか、刻が来たら





奪ってやろう、その全てを





犯してやろう、あの身体を







そして何もかも無くなったら












殺してやろう












その身体を犯し、肉を喰らい、血の雨を降らせながら









ゆっくりと












殺してやろう











「ハハッ…アッハハハハハ!」








始めて俺は、魂の底から、人間を、殺してやりたいと想った










あとがき

イッちゃってるシキ様(笑)
書いていて面白かったです^^
コンセプトは己の中に芽生えた始めての感情
シキはきっとアキラを独り占めしたかったんだと思います
今回のシキ様はタチの悪いガキがそのまま大人になった感じ
脳の単純なところにあるのはただの独占欲です
シキ様の場合はそれが歪みに歪んでイッてしまわれました(笑)































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