閲覧上の注意

この先の小説にはグロテスクな表現が多々ありますので16歳未満の閲覧行為を禁止します
一応は表におきますが、一件でも苦情・忠告が来ましたら即裏行きにしようと思います
なお、カニバリズムという言葉に嫌悪感を覚える方は速やかに退去願います
















欲しかった
だから奪った
俺だけのものにした










    Gluttony〜捕食者ハ嗤ウ〜







「おい…」
「んだよ、ジジィ」
「お前最近ペット構いすぎんだよ、仕事しろ仕事」
「してるだろぉ」

処刑人の二人はいつもの様に狗を引き連れて、トシマの主だった通りを闊歩している

「テメェがしてるのは、殺しだけだろ?バーカ」
「ッルセェ!ジジ!!…切り刻んじゃうよォ?」
「ハッ、できるわけねェ……ッて、オイッ!」

キリオが、愛用の鉄パイプを構えると、グンジはまるで興味の無くした子供の様に背を向けて歩き出していた

「つまんねーべ、帰る……」
「オイオイオイ、ずいぶんご熱心じャねーかよ……」
「だってつまんねー、コロシても面白くねぇ」
「オマエ……」

グンジはそれ以上キリオの言うことを聞かず、だらしなく歩き出す

「もう、殺すのもつまんねェなぁー」

誰に聞かせるでもない独り言を盛大に呟くと、周りでうごめく虫が気配を消しこそこそと逃げ回る

「ダイタイよー、みんな同じ事しか言わねェだもんなー。つまんねぇったらありやしねぇ」

死ぬ前の人間が言うせりふなどほとんど決まっている





助けて

許して

お願い

コロサナイデ





「あ――、早くか―えろっと」

もうグンジの異常すぎる欲望は、限界まで膨れ上がっていた

「子猫ちゃん、イイ子にしてっかなぁ」

今は唯一といっていい欲望対象
名はアキラといったが、グンジにはそんなこと関係ない
ただそこにアキラが居ればいいのだ



「猫ちゃーん、イイ子してた?」

眼にするだけで猛る欲望

「もう、帰ってきたのか」

異常過ぎる熱
でも最近は、前よりもその昂ぶりが感じられない
アキラの物言いが癪に障ったのか、怒りに顔をしかめる

「んだよ……。つまんねぇ、つまんねェよ!オイ!!」

グンジはそういってアキラの頬を殴り倒す

「ぐぅっ……っ!」

アキラの頬は赤くはれ上がり、唇が切れ、赤い血がしたたる

「お前もそう思うだろ?ナァ?」

グンジは拘束され何も着ていないアキラをベッドに放り投げ、その上にまたがる
鉤爪を片手だけ外し、もう一方の鉤爪で新しい傷跡をアキラにつける
彼の身体は傷跡だらけで、目も当てられないほどだった

「あっ、くぐぅ……」

新しい傷を付けられ、治りかけの傷をえぐられる

「イイ匂い、甘い、血の匂い……」

グンジはそれをやさしく舐め、何度も嚥下する

「もっとさぁ、くれよ」

グンジがアキラに感じる欲望は、性欲以前の、もっと純粋なものに変わりつつあった

「鳴けよ、イイ声でっ、さァ…!!」

それは人間の最も根幹にある欲望
グンジは片手で取り出した自分の剛直を、まだほぐれていないアキラの中に押し込んだ

「うあぁっ!!うくっ……!!」

痛がるアキラもいい、快楽に沈むアキラもいい
結局それは、感覚で楽しむものに過ぎない
そうではなく、もっと純粋な、確実に自分を満たしてくれる欲望

アキラを

食いたい

食欲という、最も純粋で、最も凶暴な欲望の名

「すっげぇ絶叫…でもさ、そんなんじゃ足りないンだけどよぉ……」

いつも以上にイッタ目つきでアキラを見つめると、ニィっと笑って

「ッ……!!」

アキラの首筋に鉤爪を当てる

「ヒャハッ!きっとさぁ、作り出されたばっかのオマエの血って、すっげぇ、美味いんだろぉなぁ……!」

どこかうっとりしたように呟くグンジにアキラの身体は総毛立つ
彼の頭の中には、引っ切り無しに警戒警報が鳴り響いていた
今までのグンジもどうしようもなく異常だったが、今目の前にいる彼はそれをはるかに凌駕していた
アキラは何とかして彼と、彼から与えられる痛みから逃れようとする
ダガイッタイ何処へ?

「逃げンなよ、子猫ちゃん!!」

乱暴に動いたせいで、アキラの首筋には一本の赤い線が出来ていた

「綺麗な色だぜ、ココをもっとエグッたら、真っ赤な血が…吹き出すんだろうなぁ……」

アキラはひたすら恐怖に怯え、震えている

「やめっ……」
「俺もうさ、我慢できないンだよねぇ」

怯えるアキラなどお構いなしに鉤爪を首筋から徐々にずらす

「やめろ、グンジ!!」

アキラに大声で名前を呼ばれた瞬間、グンジの中で大きく何かが弾けたような気がした







「―――ゥッッ!!!!」







グンジの鉤爪の先端が、アキラの腹に突き刺さった

「スゲェ音、今の聞いたぁ!?グジュッ…だってよぉ!!」

興奮しきったグンジはそのまま円を描くように突き立てた鉤爪をまわした

「ぐふぅっっ!!…っ……ガッ………!!!」

アキラはあまりの激痛に目の前がフラッシュバックし、身体がガタガタと揺れる



――ブシュッ!!



「んっ……ッ!!」

グンジが腹に突き刺した鉤爪を引き抜く、生きているのが不思議なほどの痛みが生まれる
アキラの腹にはポッカリと穴が開き、中の内臓がグチャグチャにかき回されていた
それはイグラでもお目にかかることの出来ない光景で、アキラは他人の身体を見ているような気さえした
グンジは満足そうに鉤爪についた血を舐め、肉片をクチャクチャと音をたてて食す

「うめぇよ、アキラ……」

もはや血に濡れた彼の姿は人のさまではなかった
彼は使徒、激痛の死へといざなう死徒だった
グンジは鉤爪を外したほうの手でアキラの体内から己の肉棒を抜き出すと、彼の上には白い液体が降り注ぐ
それは男の性器から放たれる、欲望の証

「アッハハハ!あんまり気持ちイイからさぁー……イッちゃった」

「あっ…うぅ……」

この男はいったいどこまでアキラの事を蹂躙すれば気が済むのだろうか?

「それじゃぁ、メインディッシュにしようなぁ」

そういったグンジの口が大きく開き、抉られて大量の血がしたたらせたアキラの腹にがぶりと噛み付く

「―――――ッッッ!!!」

それは悪夢のような光景だった、自分の肉が、人間の肉が、人によって食われる
アキラは生理的嫌悪感を覚え、何かが喉を這い上がってくる感覚を止められなくてその場に大量の血と胃液を吐き捨てた
そしてアキラは思った、何故自分なのかと、何故自分でなければいけないのかと
どこで自分の未来はこうも捻じ曲がってしまったのか……と
けれどグンジにはもう理性など無くどこかうっとりとした表情でアキラ肉を、血を喰らい、その腹の中に収めていく

「やっぱうめぇよ、ビトロんとこいたってこれ以上美味ぇもんは喰えねぇ」






もう終わりなのだろうか
いや、問いかける間もなくもう終わりなのだ
自分は
予感はしていた、彼に捕らえられた


その日から






「グッ……ンジ…………」

それでもアキラは、塵ほどしか残っていなかった意識を総動員してグンジを睨みつけた
グンジもソレに気が付いたのか、ゆっくりと顔を上げる

「ッ……!」

顔を上げたグンジの口元は、血肉で真っ赤に汚れ、もはや人ではなかった

「んだよ、まだ俺のこと睨める力があったのな……」

彼はただ楽しそうに赤く汚れた唇の端をニイィっと持ち上げ笑った

「マジ、テメェの目……、最高に欲情するよぉ………」

グンジのはめている鉤爪が、ゆっくりとした動作でアキラの目元に近寄ってくる
「何をする?」という問いかけも馬鹿馬鹿しくなるくらい、グンジの目的は明白だった
右目に激痛が走り、周辺の骨がゴリゴリと音を立ててきしむ
もうあたりが真っ暗になって、声を出すのさえ億劫だった

「喰ってやったぜ、お前の目ん玉…、次は……頸動脈の鮮血ドリンクかなぁ?」

意識が途切れる寸前、甘い痛みと共に大量の血液がアキラの上に降り注いだ





死は、ただ心臓と呼吸が止まるだけのものではないと
最後に知った















グンジの部屋は真冬のように寒く、光がさすこともなく暗く澱んでいた
そしてベッドが軋む音と、荒い呼吸だけがその世界の全てだった

「ナァ…、つまんねぇからさぁ……、鳴けよ」

グンジはあの日以来一歩も外に出ることなく、ただひたすらアキラの側にいた
しかしその身体の殆どは欠落し、完全に生きた『人』ではなかった
もはや死体とも呼べず、ソレは肉の塊に過ぎなかった
グンジは何にも反応を返さない肉塊を子供のように弄繰り回し、しきりに声をかけていた

「お前がダンマリだからさぁー、チョーつまんねぇーんだけど………」

自分が犯した罪を棚に上げながら、グンジは生前アキラだったそれから離れていく

「もうだいぶ変な臭いするよなぁー、あんなに綺麗だったのによォ……もう血も流れてねぇのなー」

もうこの世の全てに興味が無いと言わんばかりに濁った瞳で、全てを見下ろした

「そっか、そーだよなぁ……」

グンジは何を思ったのか、久しぶりに楽しそうに笑う

「俺がお前んとこまで行けばいいんだよなぁ」

もう今生きている世界に、何の未練も無いのだろう
グンジはただ楽しそうに笑った






「もう、ぜってぇ逃さねぇかんなぁ、アキラ………」








彼の首筋には、鉤爪の鈍い光がキラリと光った




























あとがき

え〜、カニバでございます(笑)
咎狗だからいいだろ!っと思ってやっちゃいました。
駄目でも読んで下さった方は、本当にありがとうございます。
そしてすいません(爆)



何よりもDr‘nグンジ初登場!!
械TRの方でちょいと出ておりますが、ちゃんとした話ではお初です。
グンジは大好きなのですが、なかなか小説泣かせのキャラでして……(涙)
うまく書くことが出来ません!
ちょっと違っても許してくれると嬉しいです(逃)



因みに、はじめにも書いてありますが
一件でも苦情が来ましたら即裏に下げようかと思っている代物でございます
閲覧はお早めに(笑)




































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